道のり
私の心の中でモードが変わり、これまで面識を持った人たちが違った風に見えるようになりました。ある人には戸惑いや恐怖を感じさせるかもしれませんが、そんな私のことを少しでも知ってもらえる場が必要だと感じました。
嘘をつかない生き方
私は嘘をつかないように心がけています。もしかしたら、嘘をつかなくてもいいほど、孤立した生き方をしているからかもしれません。だからこそ、嘘をつかないと言ってもいいでしょう。しかし、口にしない秘密もあります。秘密のない人生なんて、少しつまらないですよね。
子供の頃の影響と成長
子供の頃、親の顔色を伺い、自分で何かを決めるのにためらう時期がありました。これは親の責任とは思っていませんが、そうした傾向の子供であったことは確かです。この経験は後々、人生の中で重石となったことも事実です。しかし一方で、この経験が私に「魂が判断する基準」のようなものや、哲学的な思考パターンをもたらしました。物事を深く考え、自分が納得しない限り動かない性格が形成されました。
美との出会いと目覚め
ある時、ファッション雑誌『Vogue』の写真に目を奪われ、女性の美しさに衝撃を受けました。通常、写真全体のイメージに惹かれることが多いでしょうが、私は写真そのものではなく、女性の持つ美しさそのものに引き込まれました。それが私をメイクアップや美容の世界へと導いていったのです。
「これは何だ…?これをやりたい。」
心から「やりたい」と思った初めての瞬間でした。無限ともいえる女性像への憧れ、存在しないが心の中に確かにある完全なる女性美。それはまるで女神へのサレンダー、普遍的な女性性との出会いでした。
美しさへの追求と葛藤
私の中で降りてきた虚像は、さまざまな形でイメージを変え、1人ひとりの女性に宿る美として姿を見せるようになりました。民族や文化を超えて、個々の女性美が繋がっていく。そんな美しさを理解し、近づきたいと思いました。しかし、完全に近づくことはできないと知りながら、それでもなお近づこうとしたのです。
この追求の中で、悩み苦しみながらも美に触れようとしました。そしてようやく、何かを知るために無理に追い求めることは間違いであると気づきました。
今の幸せ
長い間、この仕事が私に苦しみしか与えなかった時期を乗り越え、今では「この仕事に出会えて幸せだ」と心から言えるようになりました。だからこそ、今は自分の技術や知識を役立て、人々に貢献したいと思っています。
これが私の心の旅と、美への憧れ、そして現在の仕事に対する想いです。
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