春風が少し冷たく感じる頃、私はイギリスへと旅立ちました。到着したのはガトウィック空港で、最初の6か月は慣れるためにホームステイを選びました。ガトウィック空港から電車でロンドン市内に向かう途中、牧場の緑とホルスタインの牛たちが広がる風景が目に映り、空の高さと白い雲、緑の美しさが心に残りました。ロンドンの空は曇りがちという話を聞いていましたが、この時の印象から、私にとってイギリスの空は青く高いイメージが強く残っています。
ロンドン市内のビクトリア駅に到着し、地下鉄ノーザンラインに乗り換えて、最初に住むフィンチレイという地域に向かいました。フィンチレイはロンドンのゾーン4に位置する閑静な住宅街で、駅からホームステイ先まで歩いて5分ほど。初めてのイギリスで、住所を探しながら無事にホームステイ先に到着すると、出迎えてくれたのはスペイン出身の小柄で優しいおばあちゃん、ネネ。彼女の温かい「ウェルカム!」の言葉にほっとしながら、初めての紅茶を「イエス、プリーズ」と頼んだのを今でも鮮明に覚えています。
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