正直、私は不器用です。
美容師の国家試験は、当時すでに実際の営業ではあまり使われないセットの技術や、パーマのロッド巻きを規定時間内に行うことが求められる試験でした。学科試験は美容学校卒業後に免除されていましたが、私は特にこのセット技術が苦手で、何とかギリギリで合格しました。
国家試験に合格した私は、夢を実現するためには海外に行くしかないと考え、イギリス、フランス、アメリカのどれかに行くことを検討しました。
最終的に、現代ヘアカットのベーシックなスタイルを生み出したビダルサスーンの存在を知り、イギリスに行くことを決めました。彼の考えたブラントカットやジオメトリックカットの技術が世界的に評価され、ビダルサスーンは名門サロンとして成長したのです。
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