学校での学びが一通り終わると、作品を作り、集めなければならないという焦りが芽生えてきました。
フォトグラファーやモデルと共に作品を作り、その瞬間は満足するのですが、数日経つと古臭く感じたり、違和感を覚えてしまうことがありました。
写真が長持ちしない、つまり時代を超えて美しさを保ってくれないのです。その理由はメイクではなく、ヘアスタイルにあると気づきました。
作品を良くしようとするあまり、ヘアスタイルを作り込み過ぎていたのです。確かに、作り込むことは大切で楽しいことでもあります。ファッションのコレクションでも、作り込まれたヘアスタイルがカッコ良く見える時があります。
しかし、特に尖ったデザインを持つブランドでは、服自体が強い印象を持っているため、ヘアスタイルはシンプルかナチュラルな方がバランスが取れていることが多いのです。
定番的な有名ブランドのコレクションや、ファッション雑誌の撮影でも、ヘアスタイルはロングでそのままナチュラルに仕上げることがよくあります。そこで、私は一つの結論に至りました。
時代を超えて美しいと感じさせるためには、ヘアスタイルはシンプルでナチュラルにすることが重要である
しかし同時に、もしトータルな整合性を持ちつつ、尖ったイメージを自然に表現できれば、その作品はナチュラルでありながらクールなインパクトを持ち、各人にドラマティックなストーリーを与える、強烈で魅力的なものになることも分かりました。
ナチュラルさと作り込み、その両方が持つ奥深さを考えると、クリエイティブの世界には果てしない深みがあると感じます。駆け出しの頃は、その深さに毎日泣きそうな思いで向き合っていました。
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